クロールを練習するときのコツ
クロールの泳ぎ方は主に、キック・ストローク・息継ぎの3段階に分けて練習することができます。
いくらクロールを泳ぎたいと思っていても、それぞれのやり方を中途半端にしては楽に泳ぐことも、速く泳ぐこともできません。
クロールを正しいフォームで泳ぎ且つ、楽に、そして速く泳ぐためにはクロールを段階的に練習することがコツになります。
この記事では、水泳の泳ぎ方の一つで、両手で交互に水をかき、両足を交互に上下に動かして泳ぐ泳法クロールを正しく且つ楽に速く泳げるようになるために、
- クロールの泳ぎ方
- クロールのターン
- 子どもや初心者への教え方
- クロールの練習メニュー
- 50mクロールの平均タイム
- 私の選手時代の体験談
これらをご紹介していくので是非参考にしてください。
クロールの正しいフォームの泳ぎ方
クロールの正しいフォームは、
- 足が沈まないキックのやり方
- 腕のかき方
- 息継ぎのやり方
この3段階に分けて練習することができます。
なお、クロールの練習をする前に動画でイメージを掴むと、泳いでいるとき正しい泳ぎを頭に思い浮かべることができるので、まずは映像を見ていきましょう。
クロールの正しいフォームを掴む前に動画で『ストリームライン 』のイメージを掴む
出典:https://www.konami.com/sportsclub/method/taiiku/crawl.html
この動画を見ることで、クロールで浮きやすい姿勢、キックのやり方、腕の回し方、息継ぎの方法が分かるね。
練習をするとき、正しい泳ぎをイメージできるか否かで練習効果に差がつくので、この動画を何度もみて頭のなかに正しい泳ぎを刷り込ませていこう!
クロールで足が沈まないキックのやり方
クロールを泳いでいるとき太ももから動かすことなく、足だけのバタ足をしていては体が沈んでしまいます。
バタ足が上手くできない原因は、
- 右足と左足が離れてしまっている
- 太ももからでなく、膝から下でキックをしている
これらになるので、足が離れず膝から下のキックにならないためにも、右足と左足の親指をくっつけるイメージでキックをしていきましょう。
また、息継ぎをするときにキックが止まってしまう選手がいますが、呼吸をしているときにキックが止まらないように意識することも大切です。
クロールのストローク(腕のかき方)
クロールのストロークはビート板を持った練習、手と手を前でタッチしてからのキャッチアップクロール、そしてクロールと練習することがポイントです。
ビート板を持った練習は、
- 左手(右手)を伸ばしてビート板を持ち、右手(左手)を回す
- 水をかいた方の手は、ビート板を持っている手と重なるように戻し、蹴伸びの姿勢を作る
これらになり、キャッチアップクロールをするときは、手と手が重なり合ったときにキックを止めることなく、蹴伸びの姿勢ができていることを意識していきましょう。
また、ビート板無しでクロールをするときは、呼吸をしたときに必ずキックを止めないようにして、もし体が沈んでしまう場合は、まずビート板を持ったクロールの練習をしてみてください。
その理由は、体が沈んでしまう=ストリームライン (泳ぐ姿勢)ができてないということなので、ビート板ありのクロールからキャッチアップクロールの練習をして、泳ぐ姿勢を作り上げていきましょう。
クロールの推進力は腕で決まります。腕を大きく回すことがとても大切です。回す腕が前から後ろに回ったところで、肩をグッと開くようにすると、肩から腕を大きく回すことができます。
引用:https://www.konami.com/sportsclub/method/taiiku/crawl.html
クロールで口に水が入らない息継ぎのやり方
クロールの呼吸をするとき、耳が腕から離れてしまうのを防ぐためには、
- ビート板を持った状態で、呼吸をすることができる
- ビート板無しで、呼吸をすることができる
この2ステップを踏みながら、呼吸の練習をしていきましょう。
呼吸の練習をするときは、
- 呼吸をしたとき、頭を乗せている方の手は伸びているか
- キックは止まっていないか
これらを意識するのがポイントになります。
息つぎのコツは、水中で息を吐くこと。意外と多いのが水中で息を止めてしまう人。これでは顔を上げたときに、十分に息を吸うことができず、次第に苦しくなっていき、長い距離を泳げません。水中で鼻から「ンー」と長く吐き、顔を上げたら「パッ」と口を開けて、息を吸いましょう。
引用:https://www.konami.com/sportsclub/method/taiiku/crawl.html
子どもや初心者へのクロールの教え方(指導のコツ)
子どもや水泳初心者へのクロールの教え方は、
- ビート板を持ちながらストロークをする
- 息継ぎをするときは、耳が腕から離れないよう気をつける
- バタ足は両足の指が離れないように意識する
これら段階を踏んで指導することがコツです。
子どもや初心者への指導①ビート板を持ちながらストロークをする
子どもがビート板を持ちながら泳いでいるとき、指導者が見るポイントとしては、
- 水をかいているときキックが止まっていないか
- 頭は真下に向いているか
- 呼吸をするとき、顔が前を向いていないか
これらになり、教えている方のキックが止まっている場合は「キック止めないよ」と声をかけてあげてください。
呼吸をするとき顔が前を向いてしまう場合は、頭のてっぺんを掴み、呼吸するタイミングに合わせて『ドアノブを回す』ように頭を横に回していきましょう。
呼吸が終わったら、頭が真下を向いているか確認し、頭が前方を向いていれば「顔は下だよ」と声をかけてください。
子どもや初心者への指導②息継ぎをするときは、耳が腕から離れないよう気をつける
呼吸の練習をするときは、
- 呼吸をしたとき、頭を乗せている方の手は伸びているか
- キックは止まっていないか
これらを見ることが指導するときのコツになります。
【クロールの呼吸指導方法を動画で学ぶならこちら】
出典:https://www.konami.com/sportsclub/method/taiiku/crawl.html
子どもや初心者への指導③バタ足は両足の指が離れないように意識する
指導者がバタ足を見るときのポイントは、
- 呼吸をしているときキックが止まっていないか
- キックをしているとき、両足の指は離れていないか
これらになり、教えている方の両足の指が離れてきたり、キックが止まってしまった場合は、その都度「キック止めないよ。指が離れてきてるよ」と声をかけるようにしていきましょう。
「クロール」は水泳の中でもっとも基本となる泳ぎ方です。
他の泳ぎ方にもクロールのコツがとても役に立ちます。
クロールのコツを覚えて、さらにいろんな泳ぎが出来るようになると、どんどん水泳が楽しくなっていきます。
引用:コナミ
参考記事【子供へのクロールの教え方】泳ぎ方を指導するコツ!息継ぎの練習方法とは
私が選手時代に実践していたクロールの3つの練習メニュー【ケース別】
私が選手時代に実践していたクロールの練習メニューは、
- 速く泳ぐためのメニュー
- 楽に長く泳ぐためのドリル練習メニュー
- メイン練習メニュー
この4つに分けることができますので、サークルの目安や練習するときのポイントを併せてご紹介してます。
クロールを速く泳ぐための練習メニュー
- 25m×8回(手と手が重なったら次の手を動かすキャッチアップクロール)45秒サークル→目線に注意する
- 25×8回(12,5ずつ息をしないでハード・イージ)50秒サークル→呼吸数を少なくする
- 50×8回(1本ずつハード、イージを4回繰り返す)80秒サークル→ターン後に呼吸をしないこと、ハードのときできればいきは1回、帰りは2回呼吸、ラスト5mは絶対に呼吸しない
クロールを楽に長く泳ぐためのドリル練習メニュー
クロールを楽に長く泳ぐためには、泳ぎの一部を重点的に練習するドリル練習で、
- 水の抵抗を減らす
- 疲れない泳ぎ方のコツを掴み、ハードな練習に反映させる準備をする
これらをしていきましょう。
【クロールドリル練習一覧】
- 水面に手の甲を擦りながら泳ぐ
- 手をグーにして泳ぐ(グーでも水をキャッチする感覚を掴む)
- プルを挟み気おつけの姿勢で、肘から下を動かして泳ぐ(最後まで水をかくことを意識する)
- 手と手が重なり合ったら泳ぐ(ストロークの確認、手と手が重なり合ったときにキックを止めない)
- 手を前に出してた片手クロール(水をキャッチする感覚を掴む)
- 回さない腕は気をつけして片手クロール
- 横向きでキック(呼吸をしたときにキックを止めないことを意識する)
- 顔あげクロール(テンポを上げる)
クロールのメイン練習メニュー
わたしが競泳の選手時代に実践したいた、スピードや持久力を上げるための練習メニューをご紹介していきます。
ありのままの3つのメニューを書いていきますので、あくまで参考にしてみてください。
- 200×12回2分35秒サークル(2分25秒キープで泳ぐ)
- 飛び込みありで100×8回3分サークル(ベストタイム+2秒以内)
- 50×30回1分20秒サークル(ベストタイム+3秒以内)
参考記事【水泳4泳法の泳ぎ方】クロールだけでなくバタフライ等を速く長く泳ぐ練習法
クロールのターンのコツ
クロールのターンは主に競泳者向けのクイックターンと初心者向けのタッチターンに分けることができます。
それぞれ練習するコツは違うので、ターン別にご紹介していきます。
クイックターンのコツ
クロールのクイックターンをするときは、主に3段階に分けて、
- 上向きの水中けのび練習
- 回転するだけの練習
- これらを掛け合わて壁に向かって回転練習
これらの練習をすることがコツになります。
上向きの蹴伸び練習をするときは、両手を耳の後ろにして肩を絞れるところまで絞っていきましょう。
回転するだけの練習は、まず両手にプルブイを持ち、気をつけし姿勢からプルブイを下に押して膝を曲げて回転する練習からはじめてみてください。
壁に向かって回転練習する場合は、まずはバタ足をしながら壁に向かい、これができるようになったら泳ぎながら壁に向かってクイックターンをしていきましょう。
タッチターンのコツ
クロールのタッチターンのコツは主に、
- 壁をタッチするときにスピードを緩めない
- 壁を蹴るときはストリームラインを作り顔を下に向ける
- 壁を蹴った後はバタフライのキックを1回、2回程度入れスピードをつける
この3つになります。
水泳50m・100m・200mクロールの平均タイム
水泳50mクロールの平均タイムは、正式には公表されていません。
ですが、日本水泳連盟が発表している『資格級』をみることで『50mクロールのタイムが速いのか、それとも遅いのか』を把握することができるのです。
しかも資格級をみるとAA,A,Bというランクがあるので、
- 小学生の場合はA級大会やB級大会に出場したいのであればA若しくはBランクの泳力評価
- 中学生でもJOを目指すトップスイマーはAA15
これらを目標に練習に取り組むことができるので是非参考にしてください。
小学生(9歳男)の50m・100m・200mクロール平均タイム
資格級 | 50m | 100m | 200m | |
---|---|---|---|---|
AA | 15 | 29.20 | 1:03.90 | 2:18.01 |
14 | 29.68 | 1:05.75 | 2:22.24 | |
13 | 30.17 | 1:07.60 | 2:26.46 | |
12 | 30.65 | 1:09.45 | 2:30.68 | |
11 | 31.14 | 1:11.30 | 2:34.90 | |
A | 10 | 32.76 | 1:14.44 | 2:41.34 |
9 | 34.37 | 1:17.58 | 2:47.78 | |
8 | 35.99 | 1:20.72 | 2:54.22 | |
7 | 37.60 | 1:23.86 | 3:00.66 | |
6 | 39.21 | 1:27.00 | 3:07.10 | |
B | 5 | 40.83 | 1:30.13 | 3:13.53 |
4 | 42.45 | 1:33.27 | 3:19.97 | |
3 | 44.06 | 1:36.41 | 3:26.41 | |
2 | 45.68 | 1:39.55 | 3:32.85 | |
1 | 47.29 | 1:42.69 | 3:39.29 |
出典:日本水泳連盟
中学生(14歳男)の50m・100m・200mクロール平均タイム
資格級 | 50m | 100m | 200m | |
---|---|---|---|---|
AA | ||||
15 | 23.05 | 50.24 | 1:49.63 | |
14 | 23.46 | 51.03 | 1:51.26 | |
13 | 23.87 | 51.82 | 1:52.89 | |
12 | 24.29 | 52.61 | 1:54.53 | |
11 | 24.70 | 53.40 | 1:56.16 | |
A | ||||
10 | 25.66 | 55.55 | 2:00.79 | |
9 | 26.62 | 57.70 | 2:05.43 | |
8 | 27.58 | 59.85 | 2:10.06 | |
7 | 28.54 | 1:02.00 | 2:14.69 | |
6 | 29.50 | 1:04.15 | 2:19.33 | |
B | ||||
5 | 30.45 | 1:06.29 | 2:23.96 | |
4 | 31.41 | 1:08.44 | 2:28.59 | |
3 | 32.37 | 1:10.59 | 2:33.22 | |
2 | 33.33 | 1:12.74 | 2:37.86 | |
1 | 34.29 | 1:14.89 | 2:42.49 |
出典:日本水泳連盟
高校生(17・18歳男)の50m・100m・200mクロール平均タイム
資格級 | 50m | 100m | 200m | |
---|---|---|---|---|
AA | ||||
15 | 21.62 | 47.54 | 1:44.21 | |
14 | 22.04 | 48.20 | 1:45.73 | |
13 | 22.46 | 48.87 | 1:47.26 | |
12 | 22.88 | 49.54 | 1:48.79 | |
11 | 23.30 | 50.21 | 1:50.32 | |
A | ||||
10 | 24.20 | 52.25 | 1:54.61 | |
9 | 25.10 | 54.29 | 1:58.89 | |
8 | 26.00 | 56.32 | 2:03.18 | |
7 | 26.90 | 58.36 | 2:07.47 | |
6 | 27.80 | 1:00.40 | 2:11.76 | |
B | ||||
5 | 28.69 | 1:02.44 | 2:16.04 | |
4 | 29.59 | 1:04.48 | 2:20.33 | |
3 | 30.49 | 1:06.51 | 2:24.62 | |
2 | 31.39 | 1:08.55 | 2:28.90 | |
1 | 32.29 | 1:10.59 | 2:33.19 |
出典:日本水泳連盟
水泳選手8歳以下〜18歳までの男女別資格級を知りたい方は、下記の記事を読んでみてください。
参考記事【水泳50mクロール平均タイム】小・中学・高校生で男女別の遅速を知ろう
【水泳選手時代の体験談】50mクロール30秒の壁を破るために行った3つのこと
水泳選手にはクロールで30秒の壁があると聞いたことがあるけど、この壁を越えるために何か工夫をしたことがあればしりたいんだけど・・・
私は小学生で水泳選手だったころ30秒の壁を越えるために、毎日の練習の他に、
- 体幹トレーニング
- 練習日記
- イメージトレーニング
この3つを1日のなかに取り入れていたよ!
いくらクロールで30秒をきりたと思っていても、ベストタイムを更新するためには練習以外にも工夫をしなければなりません。
下記の参考記事①に、この3つの具体的なやり方とその効果、②にはケース別で進級テストから育成、そして選手時代にタイムを縮めるために意識したことが書いてあるから是非参考にしてね。
おわりに:クロールだけでなく四泳法(バタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ)すべて上達するために実践した5つのこと
最後にこの記事で書いたクロールについてまとめると、
- クロールの泳ぎ方
- クロールのターン
- 子どもや初心者への教え方
- クロールの練習メニュー
- 50mクロールの平均タイム
- 私の選手時代の体験談
これらになりますので、是非参考にしてください。
またクロールだけでなく、すべての泳ぎを上達したいのであれば、
- 週に1回でも多く練習する
- 進級テスト(大会でベストが出ないとき)に落ちた場合は『原因』を考える
- トップスイマーの泳ぎを動画でみる
- 練習ノートをつける
- 寝る前に必ずイメージトレーニングをする
この5つを日常生活に取り入れるのがコツになりますので、水泳でベストタイムを更新&楽しむためにも、是非取り入れてみてくださいね!