子供の肥満解消にスイミングは効果があるのか
「子供の肥満を解消するならスイミングがおすすめって聞くけど、本当なのでしょうか」
スイミングのインストラクターをしていると、このような質問をされることがあります。
結論からいうと子供の肥満を治す(ダイエット)目的で運動を始めるなら、他の習い事よりスイミングがおすすめです。
この記事では、
- 他の習い事よりスイミングをおすすめする3つの理由
- スイミングと、その他のスポーツで消費できるカロリー
これらをご紹介していきますので、是非最後までお読みください。
最後まで読むことで『なぜスイミングが他のスポーツより肥満解消に効果的なのか』が、具体的に分かるようになりますよ!
子供が肥満解消するなら、他の習い事よりスイミングをおすすめする3つの理由
子どもが肥満解消するならスイミングをおすすめする理由は、
- 運動強度(メッツ)が他の運動と比べて高い
- 小児喘息を改善できる
- 姿勢を矯正(猫背)することができる
これらを挙げることができます。
スイミングは他の運動に比べ『運動強度(メッツ)』が高いので、カロリーを多く消費することができる
スイミングは、他の運動と比べ運動強度が高いので、運動する時間が同じでも消費できるカロリーが高いです。
運動強度は『メッツ』と言われ、具体的に数字で表すことができ、この数字が高いほど消費できるカロリーが高くなります。
身体活動の強さを、安静時の何倍に相当するかで表す単位で、座って安静にしている状態が1メッツ、普通歩行が3メッツに相当します。
引用:厚生労働省
体重52㎏の女性が水泳、ランニング、縄跳び、自転車、ヨガ、ウォーキングを30分間した場合の消費カロリーは、下記のとおりです。
体重52㎏の女性を例にしていますが、子どもでも上記運動で消費できるカロリーの多寡は変わりません。
水泳:平泳ぎの消費カロリー 10.0メッツ ★★★★★★★★★★ 女性(体重52kgの場合):246kcal/30分 | ランニングの消費カロリー 8.0メッツ ★★★★★★★★ 女性(体重52kgの場合):191kcal/30分 | ||
縄跳びの消費カロリー 8.0メッツ ★★★★★★★★ 女性(体重52kgの場合):191kcal/30分 | ヨガの消費カロリー 2.5メッツ ★★☆ 女性(体重52kgの場合):41kcal/30分 | ||
自転車(レジャー)の消費カロリー 4.0メッツ ★★★★ 女性(体重52kgの場合):82kcal/30分 | ウォーキングの消費カロリー 3.5メッツ ★★★☆ 女性(体重52kgの場合):68kcal/30分 |
この表を見ていただくと、スイミングの運動強度は『10メッツ』と高いことが分かりますよね。
その他、子供の代表的な習い事の運動強度をご紹介すると、
- 卓球・バレーボール 4メッツ
- 野球 5メッツ
- テニス・サッカー 7メッツ
- 柔道・空手 10メッツ
これらになります。
スイミングとその他のスポーツの運動強度を比較することで、スイミングで消費できるカロリーが多いことが分かったのではないでしょうか? だから、子どもが肥満対策で習い事をするならスイミングがおすすめです!
スイミングは、心肺機能を高めることができるので『小児喘息』を改善できる
スイミングは全身の筋肉を鍛えることができ、さらには呼吸法を練習するので肺や気管支などの心肺機能を強化することができます。
心肺機能を強化することで、呼吸筋が発達し、小児喘息の症状が改善する子供がいるのはそのためです。
ただし、喘息のなかには、運動をすることで発作を誘発する恐れがある『運動性発生』のものがあります。
喘息を改善する目的でスイミングを始める場合は、医者に相談してから始めるようにしていきましょう。
スイミングをすることで、姿勢を矯正(猫背)することができる
姿勢の良い子供と、猫背の子供が同じ運動をしたとき、姿勢が良い子供の方が消費されるエネルギーが約10%高いのをご存知でしょうか?
なぜ、消費されるエネルギーが違うのかというと、猫背の子どもは姿勢が前傾しているからです。
姿勢が前傾していると、姿勢のよい子供に比べ酸素の摂取量が少なくなり、消費するエネルギーも酸素摂取量に比例して少なくなります。
水泳は肩甲骨を使うスポーツなので、肩甲骨の可動域が大きくなっていきます。
可動域が大きくなることで、肩の筋肉をほぐすことができ姿勢を改善することができるのです。
また速く泳ごうとすることで、腕をより前に伸ばそうとし、肩から背中にかけての筋肉が伸びるのも猫背を改善する要因と言われています。
体重20kgの子供がスイミングと、その他の運動(テニス、サッカー、バスケ、野球、卓球)で消費できるカロリーとは
子どもに限らず運動で消費できるカロリーについては、消費カロリーの計算式に数字を当てはめることで分かります。
消費カロリーの計算式とは、消費カロリー=強度(メッツ)×時間×体重のことです。
この計算式をもとに体重20キログラムの子供がスイミングと、その他の運動を30分間行い消費できるカロリーを厚生労働省『運動基準・運動指針の改定に関する検討会』報告書を参考にして、ご紹介すると、
- 水泳(クロール) 100カロリー(10×0,5×20)
- テニス 70カロリー(7×0,5×20)
- サッカー 70カロリー(7×0,5×20)
- バスケ 60カロリー(6×0,5×20)
- 野球 50カロリー(5×0,5×20)
- 卓球 40カロリー(4×0,5×20)
これらの消費カロリーになり、水泳の消費カロリーが最も高いのが分かります。
わたしは未熟児で生まれたので、母が「体が強くなってくれたらいいな」と0歳からスイミングに通っていました。
スイミングに通っていたおかげか、肥満になったことはありませんし、よく友人から「姿勢がいいね」と言われたのを今でも覚えています。
ですから、肥満を解消する目的で習い事を習わせるのであれば、ぜひスイミングを習わせてみて欲しいです。
おわりに:子供はスイミングを習うことで、肥満改善、喘息改善、姿勢の矯正、これらのメリットを受けることができる
子供にスイミングを習わせることで、肥満解消だけでなく、
- 運動強度が高いので、効率よくダイエットをすることができる
- 小児喘息を改善できる
- 悪い姿勢を直すことができる
これらのメリットがあります。
子どもはダイエットに成功することで、生活習慣病を予防することができますし、「ダイエットに成功した」と自信をつけることができます。
それに、ダイエット目的で始めたスイミングが、いつしか『タイムを速くすること』が目的となり、JO(ジュニアオリンピック)を筆頭に各種大会で活躍している姿をみることができるかもしれません。
子供にスイミングを習わせるその他のメリットについては「子供のスイミングはいつから始める?身体に起きる5つのメリットとは」こちらの記事に書いてありますので、肥満対策以外にも、こんなメリットがあると知る意味でも、宜しければ読んでみてください。