水泳の飛び込み方を習得するまでの流れ
水泳の飛び込みを習得するまでの流れは主に、プールサイドと飛び込み台から飛び込む2種類の練習に分けることができます。
いくら飛び込み台から上手く飛び込みたいと思っても、まずはプールサイドからストリームラインの姿勢や足で蹴りだす動作のコツを掴まなければ、飛び込み台から綺麗に飛距離をだして飛ぶことはできません。
この記事では水泳の飛び込み台から飛び込みができるようになるために、
- 飛び込みの基本練習のコツ
- 【ケース別】飛び込みが上手くなる方法
- 飛び込みのスタートの種類
- 水泳選手時代の飛び込み体験談
- 水泳の飛び込みでタイムに差は出るのか
- 飛び込みの合図は英語も覚えておいたほうが良い理由
これらが分かりますので、是非参考にしてください。
水泳の飛び込みの基本練習5つのコツ
水泳の飛び込み基本練習
- グライドキックの姿勢でプールサイドから飛び込む
- 両手を下にしてプールサイドからゆっくり飛び込む
- 両手を下にしてプールサイドから勢いよく飛び込む
- グライドキックの姿勢で飛び込み台から飛び込む
- 両手を下にして飛び込み台から飛び込む
水泳の飛び込みコツ①グライドキックの姿勢でプールサイドから飛び込む
グライドキックの姿勢でプールサイドから飛び込むときは、
- 両手を耳の後ろ構える
- 膝を曲げて斜め45度の姿勢になる
- 膝からではなく指先から水中に飛び込む
- 水中に入ったらキックをして浮上する
- クロールで浮上する際は水の抵抗を減らすため、できればキックをしながら足から上がる
この流れで練習することがコツになります。
水泳の飛び込みコツ②両手を下にしてプールサイドからゆっくり飛び込む
両手を下にしてプールサイドからゆっくり飛び込むときは、
- 両手をプールサイドにかける
- 膝を曲げてストリームラインの姿勢を作る
- ストリームラインの姿勢ができたら、ゆっくり指先から入水する
- 水中に入ったらキックをして浮上する
- クロールで浮上する際は水の抵抗を減らすため、できればキックをしながら足から上がる
この流れで練習することがコツです。
水泳の飛び込みコツ③両手を下にしてプールサイドから勢いをつけて飛び込む
両手を下にしてプールサイドから勢いよく飛び込むときは、
- 両手をプールサイドにかける
- 膝を曲げて斜め上に蹴り出しストリームラインの姿勢を作る
- 膝やお腹からではなく指先から水中に飛び込む(まずはお腹からでもOK、練習しているうちに指先から入水できるようになります)
- 水中に入ったらキックをして浮上する
- クロールで浮上する際は水の抵抗を減らすため、できればキックをしながら足から上がる
この流れで練習することがコツになります。
なお、大人の場合は背が高いと水中に指先から入るのは無理なので、プールサイドを蹴る感覚とストリームラインの姿勢を作ることを意識していきましょう。
水泳の飛び込みコツ④グライドキックの姿勢で飛び込み台から飛び込む
グライドキックの姿勢で飛び込み台から飛び込むときは、
- 両手を耳の後ろ構える
- 膝を曲げて斜め45度の姿勢になる
- 飛び込み台を蹴るときは斜め上に蹴り、ストリームラインを作る
- 指先から水中に飛び込む
- 水中に入ったらキックをして浮上する
- クロールで浮上する際は水の抵抗を減らすため、できればキックをしながら足から上がる
この流れで練習することがコツになります。
なお、飛び込み台から飛び込みの練習をするときは必ずコーチにみてもらうようにしてください。
①しゃがんで両手を下に
②蹴りだしと同時に両腕を振り上げ
③顎を引き両腕を耳の後ろに
④指先を上げて
⑤指先を高く保ったまま
⑥指先を水面方向に向けて入水
引用:https://www.swim.or.jp/about/dive-step-guidance/step5.php
水泳の飛び込みコツ⑤両手を下にして飛び込み台から飛び込む
両手を下にして飛び込み台から勢いよく飛び込むときは、
- 両手をプールサイドにかける
- 膝を曲げて斜め上に蹴り出し、蹴り出しと同時にストリームラインの姿勢を作る
- ストリームラインの姿勢は顎を引き、両手は耳の後ろを意識する
- 膝やお腹からではなく指先から水中に飛び込む(まずはお腹からでもOK、練習しているうちに指先から入水できるようになります)
- 水中に入ったらキックをして浮上する
- クロールで浮上する際は水の抵抗を減らすため、できればキックをしながら足から上がる
この流れで練習することがコツです。
【ケース別】水泳の飛び込みが上手くなる練習方法
水泳の飛び込みが上手くなるための練習方法を、
- 飛ぶイメージを掴むために動画で研究
- 浮き上がりの練習
- リレーの引き継ぎでやる腕の振り方
- 顔から飛び込んでしまう場合の改善方法
- 水泳選手のように手でスタート台を押す
- 飛び込む恐怖心をなくす
これらケース別でご紹介していきます。
水泳の飛び込み練習①飛ぶイメージを掴むため動画で研究する
水泳の飛び込みを練習するなら、トップスイマーの飛び込みを動画で研究していきましょう。
その理由は練習中に理想とする飛び込みを意識するか否かで、同じ練習をしていても差がつくからになります。
下記の動画は日本選手権の動画になるので、是非参考にしてみてください。
水泳の飛び込み練習②浮き上がりの練習方法
飛び込んで入水したら、クロールの場合は浮き上がるまでにバサロキックを2〜4回程度打ちましょう。
打つ回数については、飛び込んだ勢いを減速させない回数を目安にしてください。
いきなりクロールのキックを打つより、バサロキック→クロールのキックの方がスピードがでるので是非習得してほしいです。
水泳の飛び込み練習③リレーの引き継ぎでやる腕の振り方
水泳の飛び込みはリレーの引き継ぎのとき、腕を数回ふってタイミングを合わせて飛ぶ選手がいます。
この飛び込みをする理由は、振り子の原理と同じで、腕を振って勢いをつけ飛び込むためです。
腕を振って勢いをつけるためには主に腕を後ろに降りすぎず、
- 選手が8メートル付近にきたら腕を降り始める
- 腕を降りタイミングを併せて、勢いよく飛び込む
この2点のみ意識をして、練習のなかでタイミングを併せていきましょう。
またどうしても上手くいかない場合は、無理して腕を降りながら飛び込む必要はない(失格したら元も子もない)ので、腕を降らずに飛び込みするようにしてみてください。
水泳の飛び込み練習④顔から飛び込んでしまうときの改善方法
水泳の飛び込みをして顔から飛び込んでしまう場合は主に、指先から入水できてないことが原因になります。
指先から入水するためには、まずグライドキックの姿勢でプールサイドから飛び込みができるようにならなければなりません。
プールサイドからの飛び込みで指先から入水できるようになったら、飛び込み台からグライドキックの姿勢→飛び込み台から両手を下にして飛び込むと順を追って出来るように練習していきましょう。
水泳の飛び込み練習⑤水泳選手のように手でスタート台を押してストリームラインを作る
水泳選手のように手でスタート台を押してストリームラインを作るコツは、
- スタート台をしっかり蹴る
- スタート台を蹴った勢いで空中でストリームラインを作る
この2点になります。
スタート台をしっかり蹴るには、まずプールサイドから勢いよく飛び込みめるようにしていきましょう。
また飛び込むときに、やや斜め前方に蹴り、足の蹴る勢いを利用して手を前に押し出すイメージを持ってみてください。
空中でストリームラインを作る練習はプールサイドからの飛び込みで『ストリームラインを作る→指先から入水』ができるようになった後、飛び込み台から繰り返し練習するようにしていきましょう。
水泳の飛び込み練習⑥飛び込みの恐怖心をなくす
水泳の飛び込みが怖い場合は、
- まずプールサイドからグライドキックの姿勢で練習
- グライドキックの姿勢ができるようになったら、両手を下にして練習
- 飛び込み台から練習するときは必ず補助を付けて、まずは片膝をつけて飛び込み台を蹴る感覚を養う
- 片膝をつけて飛び込み台を蹴る感覚を養えたら、グライドキックの姿勢で飛び込む
- 最後に両手を下にして飛び込む
この流れで練習していきましょう。
ただ、恐怖心がある場合は自己防止の観点から絶対に無理をしないようにしてください。
水泳の飛び込みのスタートは足を揃える若しくは前後の2種類がある
水泳の飛び込みのスタートは、
- 足を揃えるクラブスタート
- 足を揃えず前後にやるクラウチングスタート
この2種類があります。
水泳の飛び込み①足を揃えるクラブスタート
足を揃えるクラブスタートは主に水泳初心者に多いです。
いくら競泳選手のように足を前後にやるクラウチングスタートをしようと思っても、クラブスタートを習得しなければ、上手くクラウチングスタートを飛ぶことはできません。
クラウチングスタートを飛べるようになるためにも、まず水泳初心者はクラブスタートの練習することをおすすめします。
水泳の飛び込み②足を前後にやるクラウチングスタート
足を前後にやるクラウチングスタートは足を開くことで体重移動がしやすくなり、スタートの反応が速くなるので主に競泳選手が行っているスタート方法です。
ただし、飛び込んだ後に足がバラバラになるので、入水時に水の抵抗を受けやすいデメリットがあります。
このデメリットを克服するためには練習をするしかないのですが、まずはクラブスタートでお腹からではなく指先から入水できるスタートを覚えることから始めて行きましょう。
水泳の飛び込みのスタートはクラブスタートとクラウチングスタートどちらが良いのか
水泳の飛び込みはクラブスタート(足を揃える)とクラウチングスタート(片足を下げる)の2種類があることは分かったけど、どちらの方が良いのかしら?
この質問は水泳選手から良くされる質問だね。
結論からいうと、バックプレートの付いているスタート台ならクラウチングスタート、付いてないのであれば自分の得意な飛び方をお勧めするよ。
もしクラウチングスタートの練習をするのであれば、大会で自信をもって飛び込みができるように試合の1ヶ月前くらいからは練習するようにしよう。
なお、2種類の飛び方については下記の記事にスタートの練習をするコツが書いてあるので是非参考にしてね!
【水泳選手時代の体験談】飛び込み練習で意識した3つのこと
私が水泳選手時代のとき、飛び込みの練習(飛び込みありで25×8本ハード)で意識していたことは、
- 当時大会で上手いと思った選手の飛び込みを目に焼きつけ、その選手をイメージする
- 飛び込みでハードをするときは試合本番を意識
- 飛び込んだ後はバサロキックを必ず打つ
これらになり、今はインターネットで動画を検索できるので、是非トップスイマーの飛び込みを何度も見て頭でイメージを掴んでいきましょう。
練習メニューについては飛び込みだけの練習ではなく、飛び込んでから『ひとかき・ふたかき』ハードするだけでもいいので、飛び込みから全力で泳ぐまでの流れをとりいれてみてください。
飛び込んだ後の流れを入れることで、試合本番に向けた練習をすることができますからね。
【水泳の飛び込み】子どもへの教え方
子どもの水泳の飛び込みを綺麗にするためには、
- 飛び込む前にイメージトレーニング
- 飛び込み台に乗ったら目線は斜め前
- 飛び込み台を蹴るときは斜め上に蹴る
- 水中に入ったらバサロキックを打つ
この4つのコツを意識して、飛び込みだけでなく大会を意識して泳ぎも入れていきましょう。
なお水泳初心者や子どもへの飛び込みの教え方については、下記の記事にまとめてあるので是非参考にしてください。
水泳の飛び込みでタイムに差は出るのか
ところで水泳の飛び込みでタイムに差は出るの?
うん、水泳の飛び込みの良し悪しでタイムに差はでるよ!
厳密にいうと飛び込む要素より、水中に入水してから水中に出るまでの動作の方が影響は多いです。
どれだけ水の抵抗を少なく入水して、水中のなかでバサロキック+キックをできるかが鍵になるよ!
水泳の飛び込みの合図は日本語と英語の2種類あることは覚えておこう
水泳の飛び込みの合図は、
- 日本語:よーい
- 英語:Take you mark
この2種類があり、2020年の東京オリンピックに向けて、日本水泳連盟主催の大会では「Take you mark」という合図が使われています。
日本水泳連盟は地方レベルの大会でも、スタートの合図を日本語から英語に変更することを検討しているので、今の内から英語の発音を覚えておくようにしていきましょう。
【英語のスタート合図:池江璃花子日本選手権100mバタフライ】
おわりに:水泳飛び込み練習のコツまとめ
最後に水泳の飛び込みの練習する流れをまとめると、
- グライドキックの姿勢でプールサイドから飛び込む
- 両手を下にしてプールサイドからゆっくり飛び込む
- 両手を下にしてプールサイドから勢いよく飛び込む
- グライドキックの姿勢で飛び込み台から飛び込む
- 両手を下にして飛び込み台から飛び込む
この流れで練習することがコツになります。
水泳の飛び込みは特にクロールを泳ぐ場合、飛び込んだ後に手からではなく足から上がる方法を習得するだけで、タイムは0,1秒(わたしが水泳選手時代に体感したこと)速くなります。
ただ、無理に足から上がろうとしても、水の抵抗が増えてしまい逆効果になるので、大会の直前に飛び込むのフォームを変えるのは辞めるようにしてください。
飛び込みのフォームを改善するなら、少なくても大会の1ヶ月前から、普段の練習量を減らすことなく練習+αで練習していきましょう!