スイミングスクールのコーチが練習メニューを考えるときのポイント
スイミングスクールのコーチが練習メニューを考えるときは主にアップ、キック、プル、ドリル、メイン、ダウンを織り交ぜながらメニューを組み立てています。
アップとは練習で一番初めに泳ぎ始めるメニューのことで、ドリルとは泳ぎの一部を重点的に練習することです。
この記事では、私が水泳のインストラクターをしている経験を踏まえ、
- 水泳初心者や小学生でも作れる練習メニュー
- 練習メニューの具体例
これら『練習メニューの作り方や具体例』をご紹介していきますので、是非参考にしてください。
目次
水泳初心者や小学生が練習メニューを作るときのコツと具体例
水泳初心者や小学生が練習メニューを作るときのコツは、
- アップ
- キック
- プル
- ドリル
- メインメニュー
- ダウン
これらの流れで、練習を行い練習パターンをいくつか持っておくことです。
練習パターンをいくつか持っておくことで、月曜日はこのメニュー、火曜日はこのメニューと曜日毎に練習を変えることができますし、メニューによって『泳ぐときに意識すること』が変わってくるので飽きずに練習を続けることができます。
練習メニューのパターンをいくつか知っておくことで「今日はどんな練習をやろう」と迷うことがなくなりますので、練習メニューのパターンを覚えていきましょう!
水泳練習メニュー①アップは100メートル個人メドレー若しくはクロール
四泳法をマスターしているのであれば、アップはバタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、クロールを25m泳ぐ『個人メドレー』、四泳法を泳げないのであればクロールを泳ぐようにしていきましょう。
アップで意識したいことは、「今日の水の感覚」を確かめながら泳ぐことです。
水の感覚は、その日の調子によって『水が軽い、水が重い、手から水が抜けるような感覚、手で水をしっかりキャッチできる』このように変わりますので、是非意識して泳いでみてください。
水泳練習メニュー②キックは板キック、グライドキック、フィンをつけての潜水キック
水泳初心者や小学生のキックの練習メニューは、
- キックのスピードを向上させたいなら板キック
- ストリームラインを意識したいなら(泳ぐ姿勢)グライドキック
- 持久力をつけたいならフィンをつけての潜水キック
この3つに分けていきましょう。
練習メニューの具体例としては、
- 25×8本 50秒サークル(行きはハード、帰りはイージ)
- 25×8本 50秒サークル(12,5ずつハード、イージ)
- 25×8本 50秒サークル(フィンをつけて25m潜水ハード、帰りはイージ)
- 50×4本 90秒サークル(上記3つを50mで行う)
これらになります。
グライドキックで呼吸をするとき、キックを止めないように注意してみてください。
水泳練習メニュー③プルで呼吸制限
プル(手だけで泳ぐ)をつけて練習するなら、呼吸制限の練習を取り入れていきましょう。
その理由は今まで呼吸制限の練習をしてなかった選手が呼吸制限を取り入れることで、後半の失速を防ぐことができるからです。
練習メニューの具体例は100×1本(25メートルずつ3回に1回、5回に1回、7回に1回、9回に1回呼吸、それぞれターンの後のひとかき目に呼吸しない)になります。
100mが慣れてきたら、200mで50mずつ呼吸制限ができるか挑戦してみてください。
水泳練習メニュー④ドリルはスカーリングを取り入れる
水泳の基本的な練習であるスカーリングは、水をキャッチする技術を向上するために行います。
水をキャッチする技術を向上させることで、泳ぐスピードを上げることができるのです。
スカーリングのやり方は、
- 手の角度を45度にして∞の動きをする
- ∞の動きをしながら、手のひらを外側にするときも内側にするときも同じ力がかかるように意識する
これらになりますが映像を見たほうがイメージがわくので、是非こちらの動画を参考にしてみてください。
スカーリングの練習メニューについては、
- 25×8本 1分サークル(行きはスカーリング、帰りはスイム)
- 25×8本 1分サークル(12,5mずつスカーリング、スイム)
これらになり、スカーリングで水をキャッチしたことを意識しながらスイムをしていききましょう。
水泳練習メニュー⑤メインはインターバル練習
メインはインターバル練習を行いましょう。
インターバルとは同じタイムで泳ぎ続ける練習のことで、持久力を向上させることができます。
タイムの目安としては、ベストタイム+3秒前後を意識してみてください。
練習メニューの具体例とポイントは、
- 50×10本 1分20秒サークル(ベストタイム+3秒前後で泳ぎ続ける)
- できれば、ターンの後のひとかき目とラスト5mは呼吸しないようにする
- 練習が終わったら15秒脈拍を測り、45〜50前後であれば高い運動強度をキープできた目安にすることができす
これらになります。
心拍トレーニングとは心拍数を計測し、その数値を指標としてトレーニングを行うことです。
今までの「キツい」「ラク」と言った感覚から「心拍数」という具体的な数値で運動強度を表すことができるので、目的を明確にした効率的なトレーニングが可能になります。
引用:エプソン
水泳練習メニュー⑥ダウンは200~400mを自由に泳ごう
練習の最後に必ずダウンをして、体の疲れを残さないようにしてください。
ダウンは200~400m、じぶんの好きな泳ぎでとにかく『体の疲れ』をとることだけに集中して泳ぐようにしていきましょう。
水泳初心者や小学生は1時間で1500m~2000m泳ぐことを目安に練習メニューを作ってみよう
水泳の練習メニューを作るときはアップからダウンまでの流れを考えて、1時間で2000m前後泳ぐことを目安に練習メニューを組み立てるのがコツとなります。
練習メニューを組み立てるときサークルに迷うと思いますが、今回ご紹介しているサークルで一度泳いでみてください。
一度泳いでみて、サークルが合わなければ5秒間隔で長短していきましょう。
わたしは水泳の練習メニューを考えるとき、
- アップ→100m個人メドレー
- キック→25×8本 50秒サークル(12,5ずつハード、イージ)
- プル→100m呼吸制限
これらを紙に書き、飛び込み台に貼っていました。
練習メニューを考えるとき、アップが100m個人メドレーだけでは足りないと思えば『50×4回1分サークルでクロール』を追加してもいいですし、その他やってみたいメニューがあるのであれば、随時練習メニューを更新していきましょう。
おわりに:練習メニューを組み立てて自主練習をしてみよう
水泳初心者や小学生が練習メニューを作るときは、
- アップ
- キック
- プル
- ドリル
- メインメニュー
- ダウン
この6つの流れでメニューを作成していきましょう。
自分で練習メニューを組み立てるようになると、スイミングスクールで練習をしているとき「何でこの練習をしているのかな」と疑問がわくようになります。
このような疑問がわいてきたら、是非コーチに質問してみてください。
コーチに質問することで、泳ぐことに対する知識が増え、練習メニューの幅が広がっていきますからね。
泳ぐ知識を増やし、自主練習を楽しんでいきましょう!